リスク工学研究会(RERM)
リスク・レジリエンス工学学位プログラムでは,定期的にリスク工学研究会(Risk Engineering Research Meeting : RERM)を開催しています。参加は自由ですので,教員,学生を問わず,専攻外の方でも,興味をお持ちの方はふるってご参加ください。
趣旨
近年,個人・企業等の自然災害のリスクおよび社会リスクに対する関心は高くなってきている.地球規模での高度情報化が進み,社会システムも複雑化する一方で,ひとつの事象を限定的な分野内で把握し,問題点を解決することは年々難しくなっている.リスク評価の難しさは,社会の複雑化と密接に関連しており,リスクに対する関心の高まりは,昨今の複雑かつグローバルな社会事象を反映していると思われる.
そのような背景の中で,2002年度 リスク工学専攻には電子情報,機能工学,社会工学から「リスク」をキーワードとして異なる分野の研究者が集まった.
2020年度からリスク・レジリエンス学位プログラムに発展的に移行し、リスク・レジリエンス基盤,情報システム・セキュリティ,都市防災・社会レジリエンス,環境・エネルギーシステムといった研究会設置当初より複雑化した社会の多様なリスク・レジリエンスに対応可能な研究者により構成されている.
しかし,リスク・レジリエンスのニーズに応えるためには抽象的なレベルでの議論ではなく,具体的な構想を練らねばならず,次の二点が必要であると考える.
ひとつは,各構成員がリスク・レジリエンス工学学位プログラムに適した研究をしっかりと進めていくことであり,もうひとつはこれらの各研究を可能な範囲で連携していき学位プログラム内での共同研究プロジェクトとして立ち上げることである.
それらが集まった時に自ずとリスク・レジリエンス工学学位プログラムとしてのユニークな将来構想が見えてくる.
2026年度開催RERM
第246回リスク工学研究会
| 講演日時 | 2026年11月9日(月) 18:30-19:30 |
|---|---|
| 場所 | 総合研究棟B0110とTeamsによるハイブリッド開催 |
| 講演者 | 阿賀 正己氏(東京農工大学スマートモビリティ研究拠点・客員教授) |
| 講演題目 | 車対車の信号なし交差点出会い頭事故におけるタクシードライバ・一般ドライバの行動比較 |
| 講演概要 | 自動運転車には、C&C(Competent and Careful:有能かつ注意深い)ドライバ以上の運転行動が求められる。しかし、C&Cドライバの定義は必ずしも明確ではなく、更に市場環境下でその運転行動を体系的に収集することは容易ではない。筆者らは、タクシードライバは高い運転技能を有し、日常的に多様な交通状況に直面していると考え、東京農工大学が保有するタクシー車ドライブレコーダ(DR)データを用いて検証した。具体的には、信号のない交差点で発生した出会い頭事例を対象に、タクシードライバと一般ドライバのDRデータを比較した。その結果、タクシードライバは衝突直前であっても急減速を行い、衝突回避や被害軽減に向けた操作を積極的に実施していることや、交差車両がわずかに視界に入った段階で即座にブレーキを踏むなど、一般ドライバより注意深く予測的な行動が確認された。これらより彼らがC&Cドライバとしての要件を満たす可能性が示唆された。 |
| 参加方法 |
・リスク・レジリエンス工学学位Pの学生・教員は申込不要です。 ・それ以外の筑波大学の方は、所属先メールアドレスにて以下よりご登録ください。 https://forms.cloud.microsoft/r/HrF4sPJvb2 |
| 企画担当・司会 | 齊藤 裕一(システム情報系・准教授) |
| 問い合わせ先 | 2026年度RERM担当 齊藤 裕一(saito.yuichi.gt”at"u.tsukuba.ac.jp) |
第245回リスク工学研究会
| 講演日時 | 2026年10月19日(月) 18:30-19:30 |
|---|---|
| 場所 | 総合研究棟B0110とTeamsによるハイブリッド開催 |
| 講演者 | 稗貫 峻一氏(一般財団法人電力中央研究所,リスク・レジリエンス工学学位プログラム・准教授(連携大学院)) |
| 講演題目 | 将来と非定常時の不確実性を織り込むライフサイクル評価 |
| 講演概要 | ライフサイクルアセスメント(LCA)や産業連関分析(IOA)は、技術の環境・社会経済影響をライフサイクル全体で捉える手法として制度にも組み込まれつつある。しかしその多くは特定の前提の下での点推定であり、不確実性の扱いは課題のままである。本講演では二つの事例から整理する。第一に、技術開発や社会の変化に伴う不確実性である。廃プラスチックをセルロースナノファイバーでアップサイクルする技術では、数万の構造パラメータを一度に調べ、どの前提が変われば結論が逆転するかを特定した。第二に、非定常時の不確実性である。既存のLCAは設備が設計どおり稼働することを暗黙に仮定している。安全解析の手法で事故シナリオと発生頻度を網羅的に求めて火力発電所付設のCCSを評価したところ、無視できない量のCO2排出が上乗せされた。いずれも漏れなく調べるという安全工学の考え方をLCA・IOAに持ち込んだ試みであり、接続をどう進められるかを議論したい。 |
| 参加方法 |
・リスク・レジリエンス工学学位Pの学生・教員は申込不要です。 ・それ以外の筑波大学の方は、所属先メールアドレスにて以下よりご登録ください。 https://forms.cloud.microsoft/r/af9NvEACik |
| 企画担当・司会 | 齊藤 裕一(システム情報系・准教授) |
| 問い合わせ先 | 2026年度RERM担当 齊藤 裕一(saito.yuichi.gt”at"u.tsukuba.ac.jp) |
第244回リスク工学研究会
| 講演日時 | 2026年10月15日(木) 18:30-19:30 |
|---|---|
| 場所 | 総合研究棟B0110とTeamsによるハイブリッド開催 |
| 講演者 | 岡部 康平氏(労働安全衛生総合研究所,リスク・レジリエンス工学学位プログラム・准教授(連携大学院)) |
| 講演題目 | 機械安全の実践基礎 |
| 講演概要 | 本研究紹介では、安全の基本概念について機械の設計や制御の実学的な観点から再考する。機械安全の導入として、国際標準化されたリスク・アセスメントに基づく安全設計手法を概説し、安全の定義や設計思想の特徴ならびに実際に設計要件を履行する実践課題を述べる。そして、安全設計や制御により得られる品質としての安全性が何を意味するのかを考察する。一方で長年、絶対安全を追求してきた国内の労働安全における安全の概念や設計原則についても紹介し、理論的な安全の定義とその性能の乖離に注目した実践的な設計や制御方策を議論する。そのために必要な不確かさの概念を中心に述べる。また、昨今の人工知能(AI)の社会実装の社会的課題(ELSI)についても話題提供し、生成AI全盛時代における人間機械システムの最新の安全設計について、人の信頼や機械の信頼性の基礎概念に立ち返って検討する。 |
| 参加方法 |
・リスク・レジリエンス工学学位Pの学生・教員は申込不要です。 ・それ以外の筑波大学の方は、所属先メールアドレスにて以下よりご登録ください。 https://forms.cloud.microsoft/r/wACU9qUJBR |
| 企画担当・司会 | 齊藤 裕一(システム情報系・准教授) |
| 問い合わせ先 | 2026年度RERM担当 齊藤 裕一(saito.yuichi.gt”at"u.tsukuba.ac.jp) |
第243回リスク工学研究会
| 講演日時 | 2026年10月5日(月) 18:30-19:30 |
|---|---|
| 場所 | 総合研究棟B0110とTeamsによるハイブリッド開催 |
| 講演者 | 伊藤 太久磨氏(東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻・講師) |
| 講演題目 | 疎な観測情報環境下での出会い頭事故防止を目指した街ぐるみ知能化交通安全システムの研究 |
| 講演概要 | 近年,様々な交通安全技術の普及によって交通事故全体の被害は減少傾向にあるものの,住宅街生活道路での交通事故の低減率は相対的に低くなっており,新たな技術開発が求められている.日本の生活道路は交差点周囲の見通しが悪くなっており,緊急自動ブレーキ等の自律型車載安全システムが,その性能を十分に発揮する事が出来ない事がある.また,コスト等の様々な課題から路車間協調システムを全ての交差点に設置する事も困難となっている.すなわち,生活道路環境は疎な観測情報環境となっており,この様な交通環境の特性を考慮した新たな技術開発が求められている.この様な背景から,住宅街の様々な観測情報を集約・統合して活用するモビリティ情報基盤の研究に取り組んでおり,このシステムを活用した街ぐるみでの知能化アプローチについて本講演で紹介する. |
| 参加方法 |
・リスク・レジリエンス工学学位Pの学生・教員は申込不要です。 ・それ以外の筑波大学の方は、所属先メールアドレスにて以下よりご登録ください。 https://forms.cloud.microsoft/r/5Nadr3rdTz |
| 企画担当・司会 | 齊藤 裕一(システム情報系・准教授) |
| 問い合わせ先 | 2026年度RERM担当 齊藤 裕一(saito.yuichi.gt”at”u.tsukuba.ac.jp) |
第242回リスク工学研究会
| 講演日時 | 2026年5月25日(月) 18:30-19:30 |
|---|---|
| 場所 | 総合研究棟B0110とTeamsによるハイブリッド開催 |
| 講演者 | 孟 成柱氏(筑波大学システム情報系・特任助教) |
| 講演題目 | 空の安全を確保するためのリスク分析:AIがもたらす研究プロセスの変化 |
| 講演概要 | 近年、空域は有人機にとどまらずドローンの活用拡大においても活発に議論され、安全管理におけるリスクへの対応が社会的な課題の一つとして挙げられる。本研究会では、有人機を対象とした航空交通管制と無人機(ドローン)管制を紹介しながら、それぞれに潜むリスクを考察する。各管制業務における通信とシステムとを分析し、タスクモデリングおよびリスク分析をどのように進めたかを紹介した上で、実験のために開発した管制シミュレータの開発プロセスと得られた知見を共有する。さらに、有人機・無人機と人間管制官とのコミュニケーションに対し、自動化レベルの段階に応じたAI介入がリスク構造にどのような変容をもたらすかを検討する。最後に、AIの進化が研究と実運用にいかなる変化をもたらすかについて展望を述べる。 |
| 参加方法 |
・リスク・レジリエンス工学学位Pの学生・教員は申込不要です。 ・それ以外の筑波大学の方は、所属先メールアドレスにて以下よりご登録ください。 https://forms.cloud.microsoft/r/STEpLayfjT |
| 企画担当・司会 | 企画担当・司会:齊藤 裕一(システム情報系・准教授) |
| 問い合わせ先 | 2026年度RERM担当 齊藤 裕一(saito.yuichi.gt”at"u.tsukuba.ac.jp) |